離任のご挨拶

令和3年3月31日
ムンバイでの総領事としての仕事に終止符を打つときが来ました。
この2年間、皆様から頂いたご厚情及びご協力に深謝申し上げます。
この約2年の間、ムンバイの総領事として日印関係の促進に尽力できたこと、開かれた総領事館、役に立つ総領事館を目標に努力できたことを嬉しく思います。昨年一年間は、コロナ禍のロックダウンの中当地在留邦人の方々の帰国支援を行ったのが遠い昔の様です。今年になり、徐々に日本に戻られた当地の在留邦人の皆様は、ムンバイやプネ、グジャラートに戻られて来ており、できるだけ早くロックダウン前の状況に戻るよう心から願っています。コロナ禍によりこの一年間は思ったような外交活動は難しかったものの、当地社会で大きな影響力のある政治家、政府高官、財界のリーダー、ボリウッド関係者及び生花の先生他多くのインド人の方々と交流を深めることができました。
 
10年前、初めての日印間の海上安全保障対話のため、日本代表団を率いてデリーを訪れ、ムンバイにも足を延ばしました。現在、この対話は「2+2」(外務・防衛大臣協議)にまで発展しました。ここ数年間の日印関係が飛躍的に進展したことを目の当たりにしました。次の10年間も、この関係は更に戦略的に重要な二国間関係へと進展することは間違いありません。総領事として、任期中、貿易、投資、安全保障及び文化交流の分野でこの戦略的な二国間関係を促進し深めるよう最大限の努力を行って来ました。具体的には、ムンバイの財界人のリーダーとの頻繁な対話、ムンバイにおける日印ビジネスフォーラムの立ち上げ、西海軍司令官他との緊密な対話、また「ボリウッドナイト」の初開催などです。
 
ムンバイから離任した後も、長く外交に関わってきた経験とここで培った日印間のパイプとコネクションを基礎として、これからもインドとの関わりを維持し、一層強めていきたいと願っています。私はインド、多様性に富んだインドの人々、インドの人々が持つエネルギーやパワーが大好きになりました。インドは私の心の中に住み続け、4月以降は私の新たな挑戦の中心となるでしょう。私は更なる日印の経済関係・文化関係の強化のために、自分として近々ムンバイ、インドに戻って来たいと思っています。
 
後任となる深堀裕賢総領事は、4月下旬に東京より着任します。深堀新総領事に対しても同様のご支援を賜りますよう、呉々も宜しくお願い申し上げます。
2年間大変お世話になり、有難うございました。またお会いできる日を楽しみにしています。

 
在ムンバイ日本国総領事
原田美智雄