日本語学習者歌コンテスト
少し古い話になり恐縮ですが、今回は8月31日にムンバイで行われた、第二回日本語学習者歌コンテストについてご報告したいと思います。私は昨年に引き続き審査員の一人として参加させて頂きました。同コンテストは第二回となっていますが、元々は毎年当地で行われていた日本語学習者文化祭の一部として開催されていたものが、有り難いことに、日本語学習者の増加により出演者が多数に上り、独立した催し物として文化祭とは独立して昨年から開催され始めたものです(文化祭自体は今年も9月28日~29日で開催される予定です)。会場は、ムンバイ市郊外にあるソマイヤ大学内の講堂でした。同大学は私立大学ですが、インドにおける仏教研究でも重要な位置を占めていると言われています。当日は学長のソマイヤさん自らも日本語の先生方と一緒に観戦してくれました。
コンテストはグループの部と、ソロの部に分かれており、前者には10組、後者には11名程度が参加しました。審査員は日本人が4名、審査委員長はムンバイ日本人学校の武井校長先生です。印象を一言で言えば皆さん驚くほど上手です。昨年から比べてみても皆さんとても旨くなったと思います。もちろん中には途中で歌詞を忘れてしまい立ち往生してしまう人や歌詞カードを見ながら歌う人もいますが、皆さん素晴らしい歌声で聴衆を魅了していました。会場の日本人からは「のど自慢大会」に参加してもらってはとの声もありました。
審査は、選曲、歌唱力、パフォーマンス等の観点から行われましたが、皆さんとても上手で、特にトップクラスは甲乙つけ難い人々ばかりで、審査員にとって採点し、順位をつけるのにとても苦労しました。それでも最終的には、グループの部では「涙をこえて」を歌ったムンバイ大学日本語コースの皆さんが第一位でした。写真にあるようにお揃いのTシャツでアピールしていました。また、ソロの部の第一位は、先生アカデミー所属で「シャングリラ」を歌った女性のShreya Naikさんが選ばれました。Naikさんはグループの部にも出ており、リードボーカル的な役割を果たす実力者です。上位に選ばれた人が必ずしも長年日本語を勉強しているとは限らず、1~2年目の人でも日本語のCDやDVDを見ながら練習し、素晴らしい日本語の歌を披露することもあるようです。
外国語を学ぶ上で歌が効果的と言われますが、自分も実感しています。私は小学校から中学生になるころ、ミュージカル映画が大好きで、特に「サウンド・オブ・ミュージック」は映画館に何度も足を運びましたし、レコードも買って歌を覚えました。歌詞の中には現在完了形がありましたが英語は中学校から始まるため学んでおらず、「have」を何と訳したら良いのか迷ったりしました。日本には良い歌がたくさんあります。日本語歌コンテストが今後も日本語普及に大いに役立つことを祈りたいと思います。
涙をこえて(ムンバイ大学) シャングリラ(Shreya Naikさん)
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