感染症広域情報 (平成21年6月12日)
1.2009年6月12日(日本時間)、世界保健機関(WHO)は、現在の多くの国における感染の客観的状況と専門家の評価から、新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェーズ5から6に引き上げました。
新型インフルエンザが確認された国・地域(72か国2地域(日本を除く))については、別途、「感染症危険情報」を発出しています。世界的感染拡大にかんがみ、今後、海外に渡航を予定されている方及び既に滞在されている方は、渡航・滞在先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し、十分注意の上、感染防止に努めるとともに、感染が疑われた場合には速やかに医療機関で受診してください。
2009年6月12日午前9時(日本時間)現在、感染及び死亡が確認された旨WHOまたは政府当局が発表した国・地域は以下のとおりです。
WHOが公表している感染状況(2009年6月11日午後11時(日本時間)現在) 感染が確認された国・地域 73か国2地域、感染者数 28,774人(うち144人死亡)
メキシコ
感染者数 6,241人(うち 108人死亡)
米国
感染者数 13,217人(うち 27人死亡)
カナダ
感染者数 2,446人(うち 4人死亡)
チリ
感染者数 1,694人(うち 2人死亡)
コスタリカ
感染者数 104人(うち 1人死亡)
ドミニカ(共)
感染者数 91人(うち 1人死亡)
コロンビア
感染者数 35人(うち 1人死亡)
オーストラリア
感染者数 1,307人
英国
感染者数 822人
日本
感染者数 518人(我が国厚生労働省によれば合計549人の感染確認)
スペイン
感染者数 357人
アルゼンチン
感染者数 256人
パナマ
感染者数 221人
中国(香港を含む)
感染者数 174人(中国衛生部発表は111人、香港衛生署発表は60人)
ドイツ
感染者数 95人
ホンジュラス
感染者数 89人
フィリピン
感染者数 77人
フランス
感染者数 73人
エルサルバドル
感染者数 69人
イスラエル
感染者数 68人
エクアドル
感染者数 67人
ペルー
感染者数 64人
グアテマラ
感染者数 60人
イタリア
感染者数 54人
韓国
感染者数 53人
ニカラグア
感染者数 45人
ブラジル
感染者数 40人
オランダ
感染者数 30人
パラグアイ
感染者数 25人
ウルグアイ
感染者数 24人
ニュージーランド
感染者数 23人
スイス
感染者数 20人
スウェーデン
感染者数 19人
クウェート
感染者数 18人
シンガポール
感染者数 18人
ベトナム
感染者数 16人
ベルギー
感染者数 14人
ノルウェー
感染者数 13人
ベネズエラ
感染者数 13人
アイルランド
感染者数 12人
ルーマニア
感染者数 11人
デンマーク
感染者数 10人
エジプト
感染者数 10人
ジャマイカ
感染者数 10人
トルコ
感染者数 10人
インド
感染者数 9人
レバノン
感染者数 8人
タイ
感染者数 8人
ポーランド
感染者数 7人
オーストリア
感染者数 7人
ギリシャ
感染者数 7人
ボリビア
感染者数 5人
キューバ
感染者数 5人
マレーシア
感染者数 5人
チェコ
感染者数 4人
エストニア
感染者数 4人
フィンランド
感染者数 4人
ハンガリー
感染者数 4人
バルバドス
感染者数 3人
アイスランド
感染者数 3人
ロシア
感染者数 3人
スロバキア
感染者数 3人
ブルガリア
感染者数 2人
ポルトガル
感染者数 2人
トリニダード・トバゴ
感染者数 2人
バハマ
感染者数 1人
バーレーン
感染者数 1人
キプロス
感染者数 1人
ドミニカ国
感染者数 1人
ルクセンブルク
感染者数 1人
サウジアラビア
感染者数 1人
ウクライナ
感染者数 1人
アラブ首長国連邦
感染者数 1人
英領ケイマン諸島
感染者数 2人
台湾
感染者数 36人
また、6月12日午前9時現在、感染疑いがある国及び感染が確認されたとの報道等がある国・地域(5か国1地域)は以下のとおりです。
ベリーズ、コンゴ(民)、アルバニア、モルドバ、パプアニューギニア、パレスチナ自治区
2.新型インフルエンザとは
動物のインフルエンザウイルスがヒトの体内で増えることができるように変化し、継続的にヒトからヒトの感染がみられるようになった場合に、このウイルスが感染して起こる疾患を新型インフルエンザといいます。
今般、メキシコや米国等で感染が確認されたインフルエンザ(A/H1N1)は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」第6条7号に規定する新型インフルエンザに位置づけられたところです。
3.新型インフルエンザの症状
発熱、倦怠感、食欲不振、咳など、通常のインフルエンザと同様の症状があらわれます。また、鼻水、咽頭痛、吐気、嘔吐や下痢などの症状を訴える患者もいます。
4.留意点
WHOは、この新型インフルエンザの感染者の圧倒的多数は軽症であり、早期に回復していること、及び世界的には死者数は少なく、今後重症・死亡例の急増はない見通しを伝えつつ、引き続き渡航制限は推奨しないとしています。他方、更なる感染拡大は不可避であること、特に途上国における更なる感染拡大が懸念される旨指摘し、30代から50代の方々、基礎的疾患を持つ方及び妊娠中の女性が感染すると重症化する場合があるともしています。つきましては、下記6.の点に留意し、感染防止に努めてください。
5.感染防止策
(1)十分な水・食糧の備蓄を行い、不要不急の外出は控える。
(2)外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する。
(3)積極的に手洗いやうがいを行う。
(4)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に不用意に手で触れない。
(5)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受診する。
6.海外における入国時の健康チェック
現在、多くの国においては、入国時の健康チェック(質問票やサーモグラフィによるもの)が行われています。その際、発熱等インフルエンザ様症状がある場合には、新型インフルエンザ感染の確認等のため、一定期間待機を求められる場合がありますので、日本出発時に発熱等不調を感じられた場合には出発前に都道府県による新型インフルエンザ相談窓口発熱相談センター
(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090430-02.html)等にご相談されることをお勧めします。
7.日本帰国時の健康チェック
わが国入国前の検疫において、インフルエンザ様症状がある場合には検査を行い、必要に応じ、隔離等の措置がとられる場合がありますので、到着時の検疫所の指示に従ってください。なお、帰国時に高熱、咳症状がみられる場合には検疫所の健康相談室にお申し出ください(帰宅後に同様の症状が現れた場合には、最寄りの保健所に相談し、感染地域に渡航していた旨をお知らせください。)。
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)4484
○外務省領事局海外邦人安全課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版):http://www.anzen.mofa.go.jp/i/
(関連ホームページ)
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○国立感染症研究所感染症情報センターホームページ
(新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザH1N1)
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/(英語)
○CDC(米国疾病予防対策センター)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/(英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html