「最後の総領事便りです」

  総領事便りをご覧頂いておられる皆様、長い間お付き合い頂き本当に有り難うございました。私は約2年2ヶ月のムンバイ勤務を終え、8月初めに帰国することになりましたので、総領事便りは、誠に残念ですが今回のNo.16を持ちまして終了とさせて頂きます。

  2012年5月に着任した際は、気温・湿度の高さや人の多さ、更には半端でない道路の混みようなどで、人口約900万人のヨルダンから転勤した自分は目眩さえ感じました。しかし、住めば都と申しますが、2年が経ってみると、カルチャー・ショックを与えたものはムンバイが持っているみなぎるような力強さ、活気だったという気がしています。

  ムンバイでは仕事柄多くのインド人の方々と知り合うことが出来ましたが、理知的なことはもちろんですが、中高年の方も含め皆さんとてもお元気で、パワフルです。ムンバイの力強さ、活力は、そこに住む人々が醸し出しているのだと思います。

  またお会いした多くのインド人の方から、日本に対する深い親愛の情が表明されました。インドがそもそも仏教発祥の地であることもその理由の一つと思いますが、アジアにおける日本の姿・行動はインド国民に好印象で受け止められているようです。特にムンバイで言えば、インドにおける商業・金融の中心として明治期より多くの日本人が滞在したと言われており、日本人との付き合いの中で日本に対するイメージが形作られてきたとも言えると思います。その意味で、現在ムンバイに住む私達日本人の行動は、明日の日本・インド関係を国民レベルで支えていると言えます。

  特に、最近の日印関係は極めて良好であり、昨年11月末から12月にかけて行われた天皇皇后両陛下のインドご訪問、また今年1月の安倍総理のインド訪問の大成功は、現在の良好な両国関係を象徴的に示すものとしてインド人の皆さんの心に残っているようです。

  更に日本との関係に高い関心を持っていると言われるモディ氏が、選挙を通じた政権交代の結果インドの新たな首相に就任し、9月にも日本を訪問されるとの報道もあり、二国間関係は益々強固なものになっていくことでしょう。

  このような重要な時期にムンバイに在勤し、二国間関係促進のための業務に携わることがことができたのは本当に光栄なことでした。間もなくムンバイを離れますが、これからも日印関係の更なる発展と皆様のご健康とご健勝を祈り続けて参りたいと思います。またいつかどこかでお目にかかりましょう。

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