プネ市での日本語スピーチコンテスト西インド大会

  今回は11月17日に開催された「日本語スピーチコンテスト西インド大会」の様子をご報告しながらプネの町について少しご紹介したいと思います。プネ市はムンバイから南東に約160キロ、車ですと約4時間くらいです。デカン高原に位置するプネ市は標高も高く、蒸し暑いムンバイに比較すると過ごしやすい気候です。プネ市はマハーラーシュトラ州第二の都市で自動車産業が盛んです。日本の進出企業も多く、200名を越える日本人が住んでいます。また同州きっての大学都市でもあり、外国からの留学生も含め多くの学生が住んでおり、町には若者文化が溢れています。特に同市にあるティラク大学には西インドで唯一日本語学科の学士と修士のコースがあり、日本語学習が盛んな町でもあります。その結果インド人の日本語通訳を多く排出しており、彼らはニューデリー、ムンバイ、チェンナイ、バンガロールなど日本企業が多数進出している地域でも活躍しています。

  そのような訳で「日本語スピーチコンテスト西インド大会」がプネ市で開催されました。同大会はプネ印日協会が主催しており今回で26回目を迎える歴史ある大会で、来年1月にニューデリーで開催されるインド全国大会出場への予選も兼ねています。コンテストはジュニア部門(日本語学習500時間まで)とシニア部門(日本語学習1500時間まで)に分かれており、今回はそれぞれ9人ずつ全部で18人が挑戦しました。審査員は、国際交流基金ニューデリー事務所の日本語教育専門家、ムンバイ日本人学校の先生方、現地日本人会代表の方々がボランティアで参加されました。コンテスト出場者は学生から主婦、サラリーマンなど多彩で、自分の経験したことを中心にスピーチしました。皆さん日本語の先生の支援を受けながら一生懸命練習したようで、殆どの人がスムーズに堂々とスピーチしていました。中にはあがってしまってスピーチが途中で止まってしまった人もいましたが、それでも気を取り直し最後まで頑張りました。「小さな村の先生」、「漫画家になるつもり!」、「忘れられない誕生日」、「お弁当」(以上がジュニア部門)、「世界に一つだけのはな」、「宮本武蔵との出会い」、「駄目で元々やってみよう」、「成功をはかる方法」、「一目ぼれ」(以上シニア部門)、などタイトルを聞いただけでも面白そうではありませんか。その中で、ジュニア部門ではガドジル・シュウェタさん(ティラク大学)が「お弁当」というタイトルで優勝し、シニア部門ではジョグレカル・ミリンドさん(プネ大学)が「一目ぼれ」とのタイトルで優勝しました。各部門の3位までがニューデリーの全国大会に参加します。

  ところでプネ市には「プーネ岡山友好公園」という立派な日本庭園があります。同公園はプネ市と岡山県が2006年に姉妹関係を結んだことを記念して双方の協力により、日本万国博覧会記念基金の助成も受けながら作られたもので、岡山県の有名な後楽園にヒントを得ながら日本の造園業者により設計・造営され、現在はプネ市の公園管理局が維持しています。同公園の広さは約4ヘクタール(後楽園の3分の1の由)、生け垣、川・池、築山、橋、東屋といった日本庭園の全ての要素が含まれており、公園に入ると一瞬日本にいるような錯覚さえ覚えるほどです。同公園は町の中心部からあまり離れておらず、一般公開されているので、毎日プネ市民が朝の散歩やジョギング、午後の散策に訪れる良い憩いの場となっています。プネ市に在住の方、同市を訪れる方は是非一度足を運んでは如何でしょうか。

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