和歌山県とマハーラーシュトラ州の覚書署名

  少し旧聞となり恐縮ですが、昨10月8日から同10日まで、仁坂吉伸和歌山県知事を団長とする和歌山県のご一行がムンバイを来訪されました。ご訪問の目的は和歌山県とマハーラーシュトラ州(MH州)との交流・協力拡大に関する当地関係者との意見交換及び同州との覚書の署名でした。

  ご一行はムンバイに来られる前にMH州北東部にあるオーランガバード市を訪れ、アジャンタ・エローラ石窟群(前回総領事便りNo.6でご紹介済みです)や野菜の加工分野で世界的な企業であるジェイン・イリゲーション・システム社を訪問しています。

  ムンバイご滞在中の9日午前、仁坂知事はチャバンMH州首相を訪問され、和歌山県とMH州との今後の交流発展につき意見交換を行い、引き続き観光交流、食品加工、企業間協力に関する覚書にチャバン州首相と共に署名されました。その席には、MH州側からブジュバル州観光大臣、ヴェケパティル州農林大臣が出席し、日本側からはご一行に加え私も同席させて頂きました。会談は和やかな雰囲気の中で行われ、和歌山県世界遺産センターとアジャンタ・ビジターセンターとの交流促進、農産品加工分野での協力、和歌山県へのボリウッド映画撮影招致など話題も多岐に亘りました。

  また会談後には仁坂知事がブジュバル観光大臣とともに共同記者会見に臨まれました。更に同日夕刻には、メディア、旅行業者、現地企業などを招き、仁坂知事による和歌山県のトップ・プロモーションが行われたところ、記者会見同様、多くの方が出席し当地関係者の関心の高さが伺われました。

  MH州と日本との間には既に、ムンバイ市・横浜市、プネ市・岡山県、ピンプリ・チンチワッド市(プネ市近隣)・岡山県が姉妹都市協定或いは友好交流協定が締結されています。しかし、今回の和歌山県とMH州政府との友好交流に関する覚書は県同士(インドの州は日本の県に当たります)の交流覚書としては初めてのものです。今回の覚書締結に関しては、政治、経済、安全保障など全般に亘る日本とインドの強固な友好関係が背景にあるとは言え、具体的推進に当たっては和歌山県とMH州の友好拡大を心から願う双方の官民関係者の努力と働きかけがあり、また仁坂知事及びチャバン州首相の前向きなご決断があった思われます。ムンバイ市を擁するMH州は、日本とほぼ同じ約1億2千万人の人口を有し、インド最大の経済規模を誇っています。またプネ市の自動車産業を含めインドで最も工業化が進んでいる州でもあり、更にムンバイ市はインドにおける金融・商業の中心でもあります。今後日本のより多くの地方公共団体がMH州を含め多くの州や都市と友好を深められることを心より祈りたいと思いますし、私達と致しましても最大の支援をして参ります。

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